VERTIGO
めまい
1958:米
監督:
アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock  
原作:
ピエール・ボワロー Pierre Boileau  
トーマス・ナルスジャック Thomas Narcejac  
出演:

ジェームズ・スチュワート

James Stewart スコティ
キム・ノヴァク Kim Novak マデリン/ジュディ
バーバラ・ベル・ゲデス Barbara Bel Geddes ミッジ
トム・ヘルモア Tom Helmore エルスター
「私を失えば私が愛してたことが分かるわ」
★★★
職務中同僚の転落死を目の当たりにしたため、高所恐怖症となって警察を辞めたスコティは、旧友エルスターから妻を監視するよう依頼される。彼の妻マデリンは近頃奇妙な行動を取るようになったといい、それはまるで非業の死を遂げた曾祖母カルロッタに自分を重ねているかのようだった。スコティは次第にその謎めいた美しさに惹かれるようになり、突如海に身を投げた彼女を救ったことから二人の仲は急接近していった。しかしカルロッタの亡霊に憑かれているかのような彼女の行動は止まず、夢で見たというスペイン風の村を訪れた時に、スコティの目の前で古い教会の鐘楼から投身自殺してしまう。階段で足がすくみ彼女を見殺しにしてしまったスコティは自責の念に苛まれるが、ある日街中で死んだはずのマデリンに瓜二つの女の姿を目撃する。
ミステリアスなムードに包まれた展開、どんでん返しの意外な結末、ヒッチコックの代表作の一つに数えられるサスペンス・スリラーの傑作ですね。“高所恐怖症”がただ物語の味付けのため主人公に与えられたハンディキャップというだけではなく、事件の真相のカギを握る重要な役割を担い、さらに主人公視点のカメラワークにより抜群の視覚効果をもたらしています。映像美においてはヒッチコック屈指の作品であることに異論はありませんが、ただストーリー面で非常に気になるところが…。真犯人は教会にスコティがタイミング良く現れるのは予見出来ないはずで、さらに高所恐怖症を克服してマデリンの元に駆けつける可能性も捨て切れず、トリックについてはかなり偶然性に頼っていておよそ実現不可能かと思われます。ヒッチコックの作品は着想と展開の面白さが魅力で、多少のアラは「ま、いっか」で流せたりしますが、これはさすがにミステリファンとしては見過ごせない欠陥であり評価を抑えざるを得ません。またマデリンとジュディが同一人物であることをあまりに早く晒し過ぎに思え、独白による種明かしもヒッチコックにしてはやや安易ですね。

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