THINGS TO COME
来るべき世界
1936:英
監督:
ウィリアム・キャメロン・メンジース William Cameron Menzies  
原作:

H・G・ウェルズ

H. G. Wells  
出演:
レイモンド・マッセイ Raymond Massey ジョン・キャベル
モーリス・ブラッデル Maurice Bradell ハーディング博士
エドワード・チャップマン Edward Chapman パスワーシー
ラルフ・リチャードソン Ralph Richardson ザ・ボス
デリック・ド・マーニー Derrick De Marney リチャード・ゴードン
「どこまでも続く丘を切り開き、空や海という宝に近付くのだ」
★★★★
1940年、英国エヴリンタウン。街はクリスマスの賑わいを見せていたが、戦争が近いとの噂に人々は動揺していた。ジョン・キャベルの家で友人たちを招いてパーティーが開かれていた夜、ラジオのニュースは遂に開戦の火蓋が切られたことを告げる。ジョンは戦闘機パイロットとして従軍し、戦争はその後30年の長きにわたって続いた。その間“彷徨い病”と呼ばれる疫病の流行もあり、人類文明は衰退し世界は荒廃した。エヴリンタウンは独裁者ザ・ボスの支配下に置かれていたが、故郷へ戻って来たジョン・キャベルと彼の所属する組織“ウイング・オーヴァー・ザ・ワールド”によって独裁政権は倒され、街はようやく復興の道を歩み始める。時は流れて2036年、ジョンの子孫オズワルド・キャベル大統領の下エヴリンタウンはめざましい発展を遂げ、“スペース砲”により月に初めて人類を送り込む計画が進められていた。しかし一方で止まるところを知らない科学の進歩に危惧を抱く人々も存在し、反動家による演説をきっかけにスペース砲破壊を叫ぶ暴動が起こる。
前半は戦争戦争でずいぶんペシミスティックな展開が続きますが、復興が始まってからの映像はまさに子供の頃少年誌のグラビアやSF漫画で見せられた未来像そのもの。手塚治虫の作品にこれとそっくりの未来社会のカットがよく見られました。同名タイトルの作品も描いてますし、この映画を観てインスパイアされたのは間違いないでしょうね。復興前の荒廃した世界観も文明崩壊型の近未来SFに類型がよく見受けられるものであり、二次的三次的なものも含めればその後のSF作品に計り知れない影響を与えた作品と言えるでしょう。にしても『禁断の惑星』でも人類が初めて月に到達したのは21世紀末という設定になってましたが、アポロ11号の月面着陸はSF作家の予想をはるかに上回る早さの出来事だったのですね。

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