THE STRAWBERRY STATEMENT
いちご白書
1970:米
監督:
スチュアート・ハグマン Stuart Hagmann  
出演:

ブルース・デイヴィソン

Bruce Davison サイモン
キム・ダービー Kim Darby リンダ
バッド・コート Bud Cort エリオット
マーレイ・マクロード Murray MacLeod ジョージ
ダニー・ゴールドマン Danny Goldman チャーリー
イスラエル・ホロヴィッツ Israel Horovitz ベントン博士
「いちごのどこが悪い?」「赤い色だろ」
★★★
サイモンの通う大学はストライキ中だった。大学の敷地で貧しい黒人の子供たちの遊び場となっている土地に、軍の施設を建設するという計画に反発した学生たちが学長室を占拠したのだ。ノンポリのサイモンは物見遊山で見物に行ったが、校門で見かけた活動家の女子学生リンダに心を奪われて構内へと入って行き、成り行きのままストライキの仲間入りすることになった。リンダとの仲も急接近していったが、元々リンダ目当てと興味本位で活動に参加していたため、リンダはサイモンの中途半端な態度に失望、彼から離れて行った。けれどサイモンはボート部仲間で保守的な学生ジョージに殴られたことから、真に活動家としての意識が芽生え始め、率先して闘争の先頭に立つようになり、その姿にリンダも彼の許へと戻って来た。やがて大学の腐敗構造が暴かれ、学生たちの抗議活動はいよいよ熱気を帯びていったが、当局は警察に加えて州兵を投入、彼らを実力で排除する決断を下した。
この作品、中学の時の国語教師が絶賛しておりました。上からではなく我々生徒たちと同じ目線で語ってくれ、その頃はなんていい先生だと思ってたものですが、今振り返ると典型的な◯◯教師だったような…。それはさておき、当時の若者たちがこの作品を礼讃した気持ちは解らないでもないですが、今観ると“運動”の持つ危うさ、不条理さも教えてくれる作品ですね。映画の中の学生たちは、元々公園を軍事施設に造り換えることに憤り抗議活動を始めるわけですが、その主張は次第にエスカレートして、人種差別への批判、戦争反対へと際限なく拡がっていきます。それでは当初の要求が通ったとしても、そこで満足することはなく運動は半永久的に続くということですね。チェ・ゲバラのポスターがでかでかと貼られていることからも、イデオロギー的背景があることが明らかにされています。主人公たちの通う大学ではその腐敗した構造が描かれ、彼らの怒りは十分納得のいくものがありますが、この作品を観て感化され、明確な対象の見えないまま“運動”そのものが目的化してしまった学生たちも当時は数多くいたのではないでしょうか。そしてその時代の熱狂が、現代の日本にもなお影を落としているように思えるのです。

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