THE KING AND I
王様と私
1956:米
監督:
ウォルター・ラング Walter Lang  
出演:

デボラ・カー

Deborah Kerr アンナ
ユル・ブリンナー Yul Brynner シャム王
リタ・モレノ Rita Moreno タプティム
マーティン・ベンソン Martin Benson クララホーム
テリー・サウンダース Terry Saunders ティアン
レックス・トンプソン Rex Thompson ルイズ
「それにしてもなんと頑固な女だ。こんな女は他におるまい」
★★★
19世紀半ばのシャム王国。王子や王女の家庭教師として宮殿に招かれた英国婦人アンナ・レオノーウェンズは、尊大で頑迷なシャム王に最初は戸惑いと反発を覚えるが、幾度かの衝突を経て次第に心が通い合う。英国がシャムを野蛮な国と考え属領化を狙っていることを知ったアンナは、シャムが文明国であることをアピールするため宮廷晩餐会を開いて特使らをもてなすことを提案。晩餐会は成功を納め、その夜二人には友情を越えた感情も芽ばえ始めるのだった。しかしビルマから貢ぎ物として贈られた少女タプティムが、晩餐会に乗じて恋人と逃げたことに激怒した王は、追手に捕らえられたタプティムに鞭打ちを命じ、若い二人の恋を応援していたアンナは失望し帰国を決意する。
有名な“Shall we dance?”のシーンはまさに圧巻。アレンジの甚だしい『アンクル・トムの小屋』の劇中劇もかなり笑わせてくれますが、それにしても東洋の文化をただ好奇の眼差しで捉えたような描写には多少釈然としないものが残ります。モンゴル人の血が入っているとはいえ、ユル・ブリンナーの風貌は東洋系の子供達の父親としてはさすがに違和感があり、他者を見下すような「ハッ!」の口癖も若干耳障り。モデルであるラーマ4世に対して不敬とタイ国民が受け止めるのも当然で、実際タイ国内では上映・上演が禁じられているそうです。いかにも文明国の聡明な女性によって未開の国と人々に先進文化や科学がもたらされたといった構図の上から目線には、同じアジア人の一員としても反発を覚えてしまいますね。ジョディ・フォスター主演によるリメイク『アンナと王様』ではこの辺りは見直され、タイの文化や風土にも一定の敬意を払ったものになってました。実在した英国女性アンナ・レオノーウェンズの手記に基づく小説を原作とし、レックス・ハリソン主演による映画化を経てブロードウェイ・ミュージカルとしてヒットした脚本の再映画化作品で、舞台でも王様を演じたユル・ブリンナーは死の間際までこの役を演じ続け文字通りライフワークであったようです。怪奇映画俳優として名高いボリス・カーロフはこのアンナ・レオノーウェンズの甥にあたるとか。

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