THE IZU DANCER
伊豆の踊子
1963:日
監督:
西河克己
出演:
高橋英樹
川崎
吉永小百合
薫
大坂志郎
栄吉
浪花千栄子
お芳
南田洋子
お咲
十朱幸代
お清
「活動に連れて行ってくださいましね」
★★★
伊豆に一人旅に出た一高生の川崎は、旅芸人の一行と知り合った。一座は年長のお芳を座長に娘たち、婿の栄吉とその妹薫の五人連れであった。下田までの道のりを同行することになり、一座の内もっとも年若な十六歳の踊子・薫と川崎の間には淡い恋心が芽生え始める。しかし学生と旅芸人の踊子の恋など所詮実るはずはないと、お芳は薫の想いが次第に強まっていくのを快く思わず、二人が約束した活動写真に行くことを禁じるのだった。
この時18歳の吉永小百合が演じることで踊子は原作の14歳から16歳へと年齢を上げていますが、あどけない仕草や屈託のない笑顔が実に愛らしく、原作の清冽な魅力は忠実に再現できていると思えます。活動写真の約束を果たせず悲しみに耐えて座敷に立つ踊子、腕も千切れんばかりにハンカチを振る港での別れなど心に残る場面も数々あり、文芸作品のストーリーをただなぞるだけでなく絵的にもしっかり見せ場を作っていますね。その分本来の主人公である孤独感に悩む学生の内面描写が犠牲になってしまったきらいがありますが、映像として表現しやすい場面に注力した判断は誤りではないと思えます。また川端康成の別作品から流用して加えた南田洋子と十朱幸代の二人の酌婦のエピソード、大学の老教授となった主人公による回想という形をとったプロローグとエピローグなど、映画化に際してのアレンジも概ね成功していると言えるでしょう。ただ高橋英樹と宇野重吉ではとても同一人物には見えませんが…。
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