I GIRASOLI
ひまわり
1970:伊
監督:
ヴィットリオ・デ・シーカ Vittorio De Sica  
音楽:
ヘンリー・マンシーニ Henry Mancini  
出演:

ソフィア・ローレン

Sophia Loren ジョヴァンナ
マルチェロ・マストロヤンニ Marcello Mastroianni アントニオ
リュドミラ・サヴェリーエワ Lyudmila Savelyeva マーシャ
  アンナ・カレナ Anna Carena アントニオの母
「人は愛がなくても生きられるのね」
★★★★★
ナポリの海岸で出逢い、結婚したジョヴァンナとアントニオは、アントニオの故郷であるミラノへと新婚旅行に旅立った。けれど予備兵として登録されているアントニオに、許されている休暇は14日間しかない。離れたくない二人は一計を案じ、精神病を装って兵役を免れようとする。しかし狂言はすぐにばれ、アントニオは過酷な厳冬のソ連戦線へと送られてしまった。月日が経ち、戦争も終わって帰りを待ち侘びるジョヴァンナの許に、アントニオが行方不明との報らせが届く。それでも来る日も来る日も帰還兵の中からアントニオの姿を探し求めるジョヴァンナは、ようやく雪原でアントニオと共に行動していたという男と出会った。生きていることに希望を持ったジョヴァンナは、遠くソ連にアントニオを捜しに行くことを決心する。一枚の写真とイタリア人のかすかな噂を頼りに、広大なソ連での捜索はなかなか捗らなかったが、ある町で一人の女がアントニオの写真を見て顔色を変えた。ここにアントニオがいる…。その女マーシャと、可愛い娘との三人の幸福そうな暮らしぶりの中に、ジョヴァンナはアントニオの匂いを感じ取っていた。夫が勤めから戻って来るという時間になり、ジョヴァンナはマーシャに連れられ駅へと向かった。列車が着き、ホームに降り立ったのは紛れもないアントニオの姿だった。衝撃をもって見つめ合う二人。やがて走り始めた列車にジョヴァンナは飛び乗った。
「泣ける映画」のアンケートを採れば、必ずといっていいほど1位2位を争う位置に上げられる、涙腺刺激映画の名作中の名作。戦争によって引き裂かれる男と女、あるいは記憶喪失によって運命が弄ばれるといったパターンは他にも数多くあるものの、この作品が群を抜いて支持されるのは、やはりソフィア・ローレンの「泣き」の演技の巧さにあるでしょう。あの高慢で気の強そうな顔をくしゃくしゃに歪めて泣き崩れられると、思わずこちらもええいああもらい泣きしてしまいます。もう反則とも言える泣かせ方です。またオープニングやエンディング、そして本編の随所に挿しはさまれる、眩しいばかりのひまわり畑の映像がさらなる効果を上げていますね。ひまわりといえば通常、明るさや力強さをイメージさせる花で、哀しみや涙といった言葉とはおよそ対極の位置にあります。けれど陽射しが強ければ強いほど影がくっきりと浮かび上がるように、ひまわりの持つ陽性のイメージが、二人の切ない運命をより強く照らし出しているのですね。

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