THE GREATEST STORY EVER TOLD
偉大な生涯の物語
1965:米
監督:
ジョージ・スティーヴンス George Stevens  
出演:

マックス・フォン・シドー

Max Von Sydow イエス
チャールトン・ヘストン Charlton Heston バプテスマのヨハネ
シドニー・ポワチエ Sidney Poitier クレネのシモン
ジョン・ウェイン John Wayne 百人隊長
テリー・サヴァラス Telly Savalas ポンテオ・ピラト
デイヴィッド・マッカラム David McCallum イスカリオテのユダ
「一粒の麦はただの一粒に過ぎない。
だがもし地に落ちて死ねば多くの実が生まれ生きるのだ」
★★★
星の導きにより救世主の誕生を知った東方の三博士は、ユダヤの地ベツレヘムを訪れ、馬小屋で産まれた幼子イエスと母マリアを祝した。しかしユダヤ王ヘロデは自らの地位を脅かす予言を怖れ、産まれたばかりの赤子を皆殺しにするよう命令を下す。エジプトへ難を逃れたマリアと夫ヨセフは、数年後、ヘロデの死の報を聞いてようやく故郷ナザレへと戻った。ヘロデの子ヘロデ・アンティパスの治世となって数十年、ヨルダン川にヨハネという人物が現れ、人々に洗礼を与えて救世主の到来が近いと説いていた。そこへ訪れ洗礼を請うイエスに、ヨハネはこの人こそ真の救世主であると確信する。やがてイエスの語る言葉に惹かれてその元に漁師ペテロをはじめ十二人の弟子が集まり、さらに足なえや盲人を癒し死者をも復活させるという奇蹟を見せたイエスは、人々からメシア(救世主)、キリスト(油を注がれた者)と呼び讃えられるようになっていった。だがヨハネやイエスの名声を妬み民衆の煽動者と危険視する者たちもいた。ヨハネはヘロデ・アンティパスに捕らえられて首を刎ねられ、イエスもまた律法学者やパリサイ派司祭による一方的な裁判で有罪とされ、ローマ総督ポンテオ・ピラトに引き渡される。ピラトはイエスに罪があるとは思えず、過越しの祭りに囚人一人に恩赦を与える慣習に従いユダヤの民衆に選ばせるが、彼らが選んだのはイエスではなく人殺しのバラバだった。
巨匠ジョージ・スティーヴンス監督が6年の歳月をかけて描いたイエス・キリスト伝。この4年前に製作された『キング・オブ・キングス』では、盗賊バラバをレジスタンスの指導者としてイスカリオテのユダとの繋がりを与え、ユダヤの民衆がイエスよりバラバを選んだことやユダの裏切りの背景に独自の解釈が加えられていますが、本作にはそうしたアレンジは特になく、新約聖書の記述にほぼ忠実に沿った内容となっています。そのぶんイエスの台詞として福音書にある言葉が多く盛り込まれ、『キング・オブ・キングス』がイエスの“物語”をリアルに描こうとしているのに対し、本作はイエスの“教え”に重点を置いているという、それぞれ異なった持ち味があるように思えます。そのためより宗教的色彩が濃い印象も受けますが、随所に見られる絵画的映像表現(最後の晩餐のシーンはまさにダ・ヴィンチそのまま!)が美しく、チャールトン・ヘストンをはじめハリウッドのビッグネームも多数出演しており、信仰心を前提としなくても十分見応えある作品となっているのではないでしょうか。

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