GRAND HOTEL
グランド・ホテル
1932:米
監督:
エドマンド・グールディング Edmund Goulding  
出演:

グレタ・ガルボ

Greta Garbo グルシンスカヤ
ジョン・バリモア John Barrymore ガイゲルン男爵
ジョーン・クロフォード Joan Crawford フレムヒェン
ウォーレス・ビアリー Wallace Beery プレイジング
ライオネル・バリモア Lionel Barrymore クリンゲライン
ルイス・ストーン Lewis Stone オッテルンシュラーク医師
「グランド・ホテル。多くの人がここを訪れ、何事もなく去って行く」
★★★
ベルリン、グランド・ホテル。ここにはその日も様々な人々が集い、それぞれの人生の束の間のひと時を過ごしていた。かつて世界的に名声を博したバレエのプリマドンナで、帝政ロシア時代の想い出にすがるグルシンスカヤ。多額の借金を抱え、彼女の宝石を狙う泥棒のガイゲルン男爵。合併話が暗礁に乗り上げ、会社倒産の危機に瀕している事業家プレイジング。彼に雇われた速記者フレムヒェン。そして病気で余命僅かと宣告され、こつこつ蓄えてきた全財産で最後の贅沢を楽しむためにやって来たクリンゲライン。それまでは一面識もなかった5人の人生が、グランド・ホテルでのある一日、運命に導かれるかのように交錯し思いもよらぬ展開を生む。
一つの場所を舞台に、登場人物数名の人間模様を平行して描く“グランド・ホテル形式”の語源となった作品です。グレタ・ガルボとジョン・バリモアが主役の扱いとなっていますが、実質的にストーリーの要となっているのはライオネル・バリモアの演じるいかにも小市民といった風情の男。彼とジョーン・クロフォード演じる速記者の二人が、超高級ホテルには場違いな庶民の役割で登場し、観客と同じ目線で上流社会の世界を覗き見る恰好となっています。そして上流社会に属する側の3名がそれぞれ悲劇的、破滅的な結末を迎えるのと対照的に、二人が手に手をとってホテルを後にする姿にわれわれ庶民は安堵感を覚えることになるわけですね。戦前のハリウッドの錚々たる顔触れが揃い、現代風のシェークスピア劇を観るかのような格調高い雰囲気を持つ作品ですが、「映画は大衆娯楽」であることを意識した結末のようにも思えます。

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