DAS KABINETT DES DR. CALIGARI
カリガリ博士
1919:独
監督:
ロベルト・ヴィーネ Robert Wiene  
出演:

ヴェルナー・クラウス

Werner Krauss カリガリ博士
コンラート・ファイト Conrad Veidt ツェザーレ
フリードリッヒ・フェーヘル Friedrich Feher フランシス
リル・ダゴファー Lil Dagover ジェーン
ルドルフ・レッティンゲル Rudolf Lettinger オルセン医師
ハンス・ハインリッヒ・フォン・トワルドフスキー Hans Hainz von Twardowsky アラン
「愚か者たちよ、この男は我々の破滅を企んでいる!我々は夜明けまでの命だ!」
★★★
ハルシュテンヴァルの町で祭りが始まり、カリガリ博士なる人物が夢遊病患者の見世物小屋を開いた。その夜から奇怪な連続殺人事件の幕が上がった。最初の犠牲者はカリガリ博士の営業許可申請を邪険に扱った市の役人だった。親友同士のフランシスとアランは祭りに出かけ、カリガリ博士の小屋に入った。“眠り男”ツェザーレには予知能力があるという口上に、アランは自分の寿命を尋ねる。ツェザーレは「明日の夜明けまでだ」と告げた。翌朝、フランシスの元にアランが殺されたとの知らせが届いた。フランシスはカリガリ博士が怪しいと睨み、恋人ジェーンの父オルセン医師と共に調査に乗り出すが…。
ヒッチコックも多大な影響を受けたと云われるサイコ・サスペンスの原典。とは言え時代性かお国柄か芸術志向の強い作品となっており、ドイツ表現主義の芸術家たちの手による奇妙に歪んだセットは、観る側の心の均衡をも不安定にさせられます。原作は権力の打倒と革命の成功を暗喩したものであったようで、すべて狂人の妄想とした冒頭と結末の精神病院のシーンは、検閲を怖れるプロデューサーの意向で無理矢理挿入させられたそうですが、ストーリーを中途半端なものにしてしまったものの不気味さをいっそう増す効果をもたらしているように思えます。現実との境界が曖昧な目覚めの一瞬前に見る夢のような、不思議な後味の残る作品です。

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