BONNIE AND CLYDE
俺たちに明日はない
1967:米
監督:
アーサー・ペン Arthur Penn  
出演:

ウォーレン・ビーティ

Warren Beatty クライド・バロウ
フェイ・ダナウェイ Faye Dunaway ボニー・パーカー
ジーン・ハックマン Gene Hackman バック・バロウ
マイケル・J・ポラード Michael J. Pollard C・W・モス
エステル・パーソンズ Estelle Parsons ブランチ
デンヴァー・パイル Denver Pyle フランク・ヘイマー
「初めのうちは世界を征服したみたいだった。もう終わりね。逃げるだけ」
★★★★★
強盗での刑期を終えたばかりのクライド・バロウは、車を盗もうと物色中にウェートレスのボニー・パーカーと出逢った。クライドはボニーに度胸のあるところを見せようと、彼女の目の前で銀行強盗をやってのける。単調な生活から抜け出したかったボニーは、クライドの危険な香りに惹かれ相棒として行動を共にすることになった。そして車に詳しい感化院上がりの整備工C・W・モスを加え三人組となったが、彼のヘマからクライドは初めて人を殺してしまった。もはや後戻り出来なくなったと悟ったクライドは、まだ警察に名を知られていないボニーに家に帰るよう勧めるが、彼女は首を縦に振らなかった。やがてクライドの兄バックとその妻ブランチも仲間に加わり五人組となった“バロウ・ギャング”は、身に覚えのない強盗事件まで彼らの犯行とされ全米に悪名を轟かせるようになる。それでもクライドとボニーは、アウトローとしての人生に確かな生の喜びを感じていた。その先には破滅しかないと知りながら…。1930年代、不況の真只中にあったアメリカで、凶悪犯ながらその短くも鮮烈な生き様に人々から喝采を浴びたボニー・パーカー&クライド・バロウの実話を元にした、アメリカン・ニュー・シネマの草分けにして最高傑作。
ラストシーンの“死のダンス”は壮絶の一言。自分の中の破滅願望が刺激される思いがします。ボニーの家族と束の間の安らぎのひと時を過ごす中(このシーンでの幻想的な画像処理が秀逸)、クライドが彼女の母親に将来の計画を語って安心させようとする場面、「もしも奇跡が起きて真人間の暮らしが出来たら…」と二人が夢を語る場面なども印象的。陽気でジョークの効いた演出と軽快なメロディ、牧歌的な雰囲気に彼らが犯罪者であることを忘れそうにもなりますが、もう後戻りは出来ないと知りつつ叶わぬ夢を語る台詞が、むしろ二人の哀しい現実を呼び起こさせます。違法行為は信号無視すら躊躇われる品行方正な私(自分で言うな?)ですが、そのアウトローとしての生き様には強い憧れを抱き、刹那的な人生観に思わず共感してしまいますね。それは二人を主人公とした映画であるから当然として、実在したボニー&クライドもけっして“義賊”というわけではないのに、人々から英雄視されたという時代背景にも興味深いものがあります。州境を行き来して警察を翻弄した鮮やかな手口が小気味良かったのもあるでしょうが、不況と禁酒法による閉塞感に包まれていた1930年代のアメリカ、よほど権力への不満がくすぶっていたのでしょうね。また“死のダンス”の実映像が記録フィルムとして残っているということにも驚かされます。

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