THE APARTMENT
アパートの鍵貸します
1960:米
監督:
ビリー・ワイルダー Billy Wilde  
出演:

ジャック・レモン

Jack Lemmon C.C.バクスター(バド)
シャーリー・マクレーン Shirley MacLaine フラン・キューブリック
フレッド・マクマレイ Fred MacMurray シェルドレイク
レイ・ウォルストン Ray Walston ドービッシュ
デイヴィッド・ルイス David Lewis カークビー
ジャック・クラシェン Jack Kruschen ドレイファス医師
「交通事故に何度も遭う人は?」 「不良顧客」
「私がそれ。男運が悪いの。初キスも墓地でよ」
★★★★
ニューヨークの大手保険会社に勤めるバクスター(バド)は、とりたてて仕事の才能があるわけではなかったが、出世のためのある秘策を持っていた。自分の住むアパートの部屋を、上司たちの浮気相手との逢い引きの場所に提供していたのだ。おかげで風邪を引いても自室で休むことも出来ず、隣人にはジゴロと勘違いされたが、社内での地位はみるみる上がっていった。やがてその関係は人事部長シェルドレイクに嗅ぎつかれるところとなり、彼も一枚加わることになって、ますますスケジュール調整に大わらわとなったが、これ以上ない強力な後ろ楯を得ることになった。そんな彼にも想いを寄せる女性があった。エレベーターガールのフラン。しかしシェルドレイクに返したはずの情事の忘れ物、割れたコンパクトを持っていたことから、シェルドレイクの相手が彼女であることを知ってしまった。クリスマス・イブ、自棄になって金髪女を連れて戻って来たバドは、部屋で睡眠薬を大量に呑んで倒れているフランを発見した。
小狡い手で出世していく男と、妻子持ちと不倫する女。シチュエーション的には最悪な取り合わせなのに、ジャック・レモンとシャーリー・マクレーンのピュアなキャラクターで演じられると、なぜだか爽やかな純情ラブストーリーのように思えてきます。世渡りが上手そうで実はただお人好しなだけのバド。「君は利用されてると言ったが、利用したのは僕の方だ」─自分に言い聞かせるように強がる台詞に、不器用な男の悲哀が隠っていますね。そんなに笑えるような場面や台詞があるわけでもないけれど、思わず口元がほころんでしまう、ビリー・ワイルダー演出の巧さの冴える一級品のラブ・コメディです。

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